建物の階数で見かける「3A」とは何か?
コンドミニアムやモール等で見かける「3A」の表記。前後の数字の並びから「4」を示していることはすぐわかります。ただ、「44」は「43A」とされていたり、いまいちルールがはっきりしないため調べてみました。
目次
コンドミニアムなどでみかける「3A」の階。3➔3A➔5という順番のため、4を避けているものだということは容易に想像できます。日本の場合、忌み数として「4」を使わず飛ばすことが多ように思われるため、置き換えるという発想は少し新鮮でした。
ただ、「40」はそのまま「40」、「44」は「43A」と表記するようであくまでも1の位の数字のみを忌避しているように見えます。
どういうルールかいまいち分からず気になったので調べてみました。
中華系マレーシア人の「迷信」
Wikipediaでは、「3A」にする表記を中華系マレーシア人・中華系シンガポール人の迷信として紹介しています。
The number 4 is often avoided. (Some buildings in Malaysia replaced "4th Floor" to 3A, and house address 44 and 4 to 43A and 3A.) The number "4" itself has a similar tone to the Chinese character for "death".
意味的には日本と同じく、「死」の発音と似ているためです。ちなみに、日本では「14」を避ける習慣は特にないように思いますが、広東語では「實死」(=確かに死ぬ)という言葉の発音と似ているため、「4」よりも避けるようです。「24」も同様に「易死」(=死にやすい)への連想から避けられているようです。
For Cantonese speakers, 14 and 24 are considered more unlucky than the individual 4, since 14 (Cantonese Yale: sahp sei) sounds like "will certainly die" (實死, Cantonese Yale: saht séi), and 24 (Cantonese Yale: yih sei) sounds like "easy to die" (易死, Cantonese Yale: yih séi).
「A」だけではなく「B」も使われることがある
おそらく、欧米で忌避されている「13」も避けるために、13を「12A」、14を「12B」と表記することもあるようです。
Why are there 3A, 12A and 12B on the Elevator Buttons in Malaysia?13のみを避ける文化圏では、13を「12A」または「12B」としたり、12の次を「14A」として14を「14B」とすることもあるようです。
Sometimes to keep numbers consistent the 13th floor is simply renumbered as 12A or 12B, as in: 12, 12A, 14.., or 12, 12B, 14; this does not affect the numbers of the higher floors. Likewise, 14A or 14B could be used for the 13th floor.
44は「3A3A」にならない?
「34」は「33A」になっていても、「40」が「3A0」になっていたり、「44」が「3A3A」にはならないようです。
理由は探しても見つかりませんでしたが、同じような疑問を持つ人は少なくないようです。TwitterやLowyat(マレーシア最大級の掲示板)でも時々話題になっているみたいです。
香港ではすべて4のつく数字の階と13を取り払ってしまい、50階が35階相当になることもあるようです。この方が感情的にはすっきり収まりますが、ここまで抜いてしまうとちょっと現実的に困ることもありそうな気がしてきますね。
• Four is an unlucky number and it means death. In East Asia, some buildings do not have a 4th floor. (Compare with the Western practice of some buildings not having a 13th floor because 13 is considered unlucky.) In Hong Kong, some high-rise residential buildings omit all floor numbers with “4”, e.g. 4, 14, 24, 34 and all 40–49 floors, in addition to not having a 13th floor. As a result, a building whose highest floor is number 50 may actually have only 35 physical floors.
なお、カナダのバンクーバーでは消防活動等での混乱を避けるために、階や部屋番号の置き換えや飛ばしを原則として禁止しているようです1。合理的に実務的なことだけを考えるとバンクーバーの対応が一番正しいような気がしますね。
BULLETIN 2015-005-BU - ADDRESSING AND SUITE NUMBERING- バンクーバー市の “Bulletin”(公報)での発表となるため、法令と異なり、どの程度の強制力を持つのか不明ですが、建築許可等があるであろうことを考えると、日本での行政指導同様、事実上強制力を持つものではないかと思われます。 ↩
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