マレーシアにクロネコヤマトで荷物を送ったら関税が送料の倍以上!高い項目に絞って交渉してみた

日本から持ち込みきれなかった物と Amazon で購入した物を日本の実家経由でクアラルンプールに送ってもらいました。運悪く税関で引っかかると何と関税が送料の倍以上。反論して何とか半分にするところまで持っていきました。

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目次

日本から物品を送る場合、一番メジャーな方法は郵便局の EMS か船便かと思いますが、クロネコヤマトの国際宅急便も地域限定ではありますが、少なくともクアラルンプールには荷物を送ることができます。

料金は下記から検索可能です。

ちょうど送ろうとしていたサイズが 80cm / 2kg 以内であったところ、クロネコヤマトだと 3,450円、これに対し、EMS だと 6,300円(船便だと3,300円で最安だが2ヶ月かかる)かかるため、クロネコヤマトの国際宅急便を選択しました。

クロネコヤマトはものすごい細かい

かなりの地方から出したことも問題だったかもしれませんが、すべての品物について細かく素材等を含めた表記を求められました。EMS の場合でも、もちろんすべてを求めますが、正直そこまでうるさくないのが実情だと思います。

特定の少量を送る場合には良いですが、それなりに種類を送るのであれば面倒だということは予め把握しておくと良いかと思います。

また、クロネコヤマトの人の話によると、郵便局から出す方が関税がかかる可能性が低いということでした(そのため、郵便局から出すことを勧められました)。これは取り扱い荷物量の関係かもしれませんが、個人が使用済みの中古品を少量送るだけで関税がかかるわけもなかろうとたかをくくってそのまま送ってもらいました。

発送から数日でクロネコヤマトから電話で連絡がきた

ヤマトから連絡が入り、税関で止められたとのこと。金額はなんと約 RM300(約8,000円)。ほぼ新品のものもありますが、全部タグなし、同じものはひとつもなしという状態にもかかわらず、ほぼすべてのものに対して関税をかけようとしてきました。

税関からのPDF
このようなファイルをクロネコヤマトから送ってもらいました。「Code」から逆引きして解釈を確認していきます。

一番困ったのが、商品の認識が全然違うところでした。クライミングで使用するカムと呼ばれるものを送ってもらったのですが、なんと自動車の部品と勘違いされてまさかの関税 30%にされました。

カム
こんな感じのものです。明らかに自動車のカムとは違うだろ・・・という見た目です。
コードに対応する商品
税関で指定されたHSコードを、下記で紹介する輸出統計品目表で逆引きしてみると、自動車関係部品と勘違いされていることが分かります。

ヤマトからは反論したい HS コードを連絡してくれれば交渉するとのことでした。

HSコードを調べる

HS コードは世界税関機構(WCO)が管理している条約に基づきあらゆる物品につけられる6桁の番号です。そのため、まずは日本語で HS コードを調べて、それを通知する方法で問題ありません。

輸出統計品目表

1類から97類まであります。この中から一番近いものを探し出す作業です。

クライミング用のカムは何に該当するか?

類を見ていると、下記が関係しそうです。該当判断については税関から「関税分類について(主に関税率表の解釈に関する通則関係) 」という資料が出ているのでこれに従い判断します。ただ、非常に専門的判断であるため、基本的には一般的な商品名(Tシャツなど)で存在すればそれを、存在しなければ用途または主となる素材で該当するものを探します

今回のカムの場合、「カム」の名称で該当するのものはなく、税関の認識では自動車関係の部分品として、「部分品及び附属品(自動車のものに限る)➔その他の部分品及び附属品➔その他のもの」に当てはめてきました。

これに対し、こちらとしてはクライミング用品、つまりはスポーツ用品であるとして、95類の「がん具、遊戯用具及び運動用具並びにこれらの部分品及び附属品」のうち、9506.91「身体トレーニング用具、体操用具及び競技用具」または同9506.99「その他のもの」が適当であると反論しました。

また、もしこれに該当しないとしても、主な素材がアルミニウムであることから、7616.99「その他のアルミニウム製品」の「その他のもの」を主張しました。

反論する前に該当するコードの関税率を事前に調べる

もし反論したコードがより高い関税率であったとするとただの藪蛇です。そのため、自分のコードがマレーシアの関税率ではどのようになるのかを事前に調べておく必要があります。

マレーシアでの関税率は下記の「JKDS HS 」というシステムで調べることが可能です。なんと、Flash でできているため、iPhone からは使えませんし、最近の Chrome 等ではデフォルトでは使用できなくなっているので面倒です。

JKDMシステム
トップ画面です。左の検索対象が HS Code になっていることを確認したら、頭の4桁で検索すると良いと思います。
JKDMシステム
9506を入力し、9506.91と9506.99の税率を確認します。Nil は「0%」の意味です。
JKDMシステム
ちなみに、素材で主張したアルミニウム側は 5-25% になるべきものです。

反論の結果は?

こちらの主張は認められず、ヤマトの方で主張してくれた7210.99「鉄又は非合金鋼のフラットロール製品」の「その他のもの」で着地し、結果として半分の 15% まで削減できました。

一応、さらに反論はできるようでしたが、原則として関税の賦課は行政処分である(と思われる)ため、最終的な処分の判断は税関に委ねられるようでした。それでもなお不服がある場合には裁判等の手続は可能かと思われますが、個人だと事実上費用倒れになるため、適度なところで諦めざるを得ないのが実情でしょう。

おかしいものがあれば一応反論しましょう

ちょっと難しいと言えば難しいところですが、もし同じようなことがあった場合、関税率の高いものだけでも調べて、反論できそうであれば反論してみると良いかと思います。ちなみに、反論はクロネコヤマト経由で行ったため、日本語で問題なかったです。