就労ビザを申請するための資本金はRM250,000相当の「外貨」を入金する必要がある

ラブアン法人は原則として資本金制限がありません。そのため、1ドルというような資本金でも設立・運営には問題ありません。ただ、就労ビザを申請するには、最低資本金がRM250,000以上になっている必要があります。落とし穴はリンギットではなく、外貨であるという点です。

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おそらく資産管理会社以外の目的でラブアン法人を設立する場合、就労ビザを申請することがほとんどではないかと思います。就労ビザを申請するには、いくつかの要件がありますが、(1)資本金をRM250,000以上にすること、(2)取締役の報酬を月額RM10,000以上にすることが基本的な要件となります。

私が設立を依頼していた現地の信託会社の資料には、「RM250,000以上またはそれと同等額の外貨」との記載であったため、私は250,000リンギットを銀行に預け入れました。

マレーシアリンギット(RM)での資本金払込は不可!

RM250,000を証明するバンクステートメントを提出したところ、残念ながら、リンギットでの資本金の払込は認められず、外貨に振り替える必要があると言われました。資料での記述を指摘したところ、とにかく外貨ではないといけないの一点張り。最終的には取締役としての報酬をリンギット払いするため、資本金の払込のためだけにリンギット→外貨→リンギットにはしたくないと交渉したものの、規則上無理ということで諦めて外貨に振り替えました。

銀行での振り替えはレートが悪く、往復するだけで3%ほど失うため、かなりショッキングです。ビザの申請代行費用よりも高い。。

RM250,000以上の算定方法は?

外貨に振り替えなくてはならないとして、RM250,000以上はどのように証明するのかという問題があります。銀行内で振り替えれば本来的には RM250,000 相当だったと言えそうな気もしますが、外貨で直接送金した場合には判断できないので結局のところ、別の基準で判断する必要があるのだと思います。

正解としては、マレーシア国立銀行(Bank Negara Malaysia)に掲載されている外貨の交換レートを使用するとのことでした。ここに掲載されているレートは売買レートではなく、TTMのような中間的な値のようです。

マレーシア国立銀行のホームページ
レートは毎日更新されます。この日であれば、RM250,000相当は、日本円であれば 6,793,294円(250,000/3.6801*100)、米ドルであれば60,864ドル(250,000/4.1075)になります。

当然ながら、銀行での交換レートの方が掲載されているレートよりも悪いため、私の場合、さらに外貨を積み増す必要が出てしまいました。

なお、支払日におけるレートで判断してもらえるのか不明であるため、為替変動に備えてある程度余裕をもった資本金の支払を勧められました。このあたりはさすが東南アジアという感じです。日本であれば考えられない適当さです。

資本金を日本から支払うなら日本円口座を開いて日本円での送金を

日本人であれば、多くの人は資本金を日本円で調達するのではないかと思います。その場合、マレーシアリンギットで着金させてしまうと銀行の極悪レートで数パーセントを失うことになるため、ちゃんと外貨口座に着金させるようにしましょう。ただ、制度(というよりも運用)は変わる可能性があるため、事前にリンギットでも良いのか、外貨でないといけないのか、レートはマレーシア国立銀行で良いのかを改めて確認すると安全かと思います。

業者には基本的に不満はありませんでしたが、この点については資料の明らかな誤記であり、かなり腹が立ちました。ものすごい基本的事項のはずなのにちゃんと正確な記述ができていなかったり、公式の文書がなかったりするのはやはりリスクですね。