クアラルンプールの家探しするときの考え方。基本的には駅近の物件がおすすめ

住む場所を見つけるのは簡単ではありません。特に海外の場合には日本での考え方が通じない面もあります。私がクアラルンプールで家を見つけるときに気をつけたこと、そして生活してみて気づいたことをまとめたいと思います。

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目次

クアラルンプールでの家を借りようした場合、どのような基準で探すべきかという問題は地味に悩ましい問題です。子供がいる場合には学校優先、子供中心になると思うので情報も集めやすくわかりやすいと思います。

他方、子供がいない場合には自分のことだけ考えれば良いので逆に選択肢が広すぎて悩ましいのではないでしょうか。クアラルンプールの事情とともにどのように決めるのが良いか、個人的な経験と合わせてまとめたいと思います。

不動産会社を決める前に条件を考えておく

賃貸でも売買でも多くの場合、日本と同様に不動産会社に依頼することになるかと思います。インターネット経由で申し込めば必ずしも日本の仲介会社のような存在をあえて挟む必要はありませんが、語学の問題と契約の問題、この二つに不安があるようであれば不動産会社に依頼するのが無難です。

不動産会社に任せるのであればエリアを含めてすべてお任せというのもアリですが、担当者の当たり外れが露骨に出ます。そのため、自分で重視すべき条件を決めておいた方が良いでしょう。

車を持たないのであれば、駅から近い物件が必須です。よく行くモールやエリアがあれば、その近くというのも良いと思います。車での移動が重視されているため、日本よりも駅に近い物件でも大して高くならない傾向があるように思います。車を持つ予定がなければMRTやLRTの駅近物件(できればほぼ直結)がおすすめです

有名なエリアが自分に合うかは良く考えるべき

日本人が多く集まるモントキアラは駅がなく、車がないと生活が不便な場所です。生活が不便な割に家賃が高いため、個人的にはあり得ない選択肢でしたし、今でもまったく住みたいと思いません。

ただ、子供がいるような場合には塾が多くあったり、他の子供づれの家族も多く住んでいるため、何かと都合は良さそうに見えます。あくまでも自分の家族構成や生活スタイルが合うかどうかで考えるべきかと思います。

エリアの決め方:一番よく使用する交通機関を決める

クアラルンプールで何をするかでも変わりますが、まずは自分の生活スタイルでどの交通機関を利用するかを決めてしまいましょう。はじめの一番大きな選択は、車と公共交通機関、どちらの移動を中心にするかです

勤務先が中心部から遠いといった場合や子供の送り迎え等がある場合には車がないと厳しい面がありますが、公共交通機関の発達した部分での生活、かつ、大人だけであれば正直なところ車の必要性はあまり感じません。正確に言えば、車を所有する必要がなく、Grabなどのサービスを使用した方が利便性が高いと感じています。

ほぼ家から出ない生活であれば、公共交通機関のないところでも問題はありませんが、いかに経済合理性があるとはいえ、常にGrabで移動するのは気分的に落ち着かず、また会話が面倒くさかったり、時間によっては渋滞に巻き込まれたりということもあるので何らかの公共交通機関があるところの方がおすすめです。

車は運転も大変だが、駐車も大変

クアラルンプールに着いてすぐに運転マナーの悪さには気づくことになるかと思います。慣れれば問題はないとは思いますが、事故に遭遇する可能性は日本の比ではありません。

また、駐車スペースも多くありますが、休日を中心に駐車スペースを探すのも一苦労することでしょう。路上の駐車スペースは、二重駐車されていることもしばしば。

これらのリスクや面倒くささを踏まえると、自分の車で移動するメリットがほぼ感じられません。現在のところ、マレーシアのGrabは雨でもない限りすぐつかまるため、これらのデメリットからも解放され、車のメリットだけを享受することができます。

バスは自由度が高く、安いもののデメリットも多い

GoogleマップやMoovitで調べるとバスはかなり発達しており、実際に安くて便利です。ただ、現地で使用してみると使いづらいケースも多くあります。旅行で現地感を味わうにはベストですが、通勤等で使用するには不向きです。

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バスは時刻表がほぼ無意味

時間通りに来ないのはもちろんのこと、15分に1本くるはずが30分に1本しかこないということもよくあります。始発でも時刻表を守りません。そのため、時間に余裕のある移動にしか使えません。

バスが止まってくれない

バスは手を上げて止める必要がありますが、交通量が少ないとき(=バスのスピードが速いとき)などにありがちですが、普通に無視されることがあります。乗客が少ないバス停だとその傾向が顕著です。本数が少ないバスだと致命的です。

バスは乗客の層が微妙

傾向として、バスの乗客は比較的格好が汚かったり、ぶつぶつ言っている人が多かったりと明らかに東南アジア感が強くなります。男性は特に問題ありませんが、女性ひとりの場合は危険度が高まります。

電車はMRTかLRTかモノレールが現実的

電車はKLセントラル付近をハブとして東西南北に広がっています。中心部を通る路線であっても、頻度や混雑具合にはかなりばらつきが見られます

東京と同じ感覚で使用できる路線は、MRTとLRTとモノレールのみです。これらの路線は、日中は5-7分間隔で運行されています。休日や夜などは約10分間隔です。

始発は6時頃、終電は0時頃と日本より短めですのでその点は注意が必要です。

KTMとKLTransitは30分から45分間隔と地方の電車と変わりません。しかも混みます。この沿線に勤務先等がない限りまったくお勧めできません。

KLの路線図
RapidKLの最新の路線図です。1と2と7の路線は注意が必要です。

KL路線図(高解像度PDF)はこちら からどうぞ。

快適度はダントツでMRT

MRTはできたばかりということもあり、駅が綺麗で、電車も車両数が多く、移動速度も速く、他の公共交通機関を圧倒しています。中心部は地下深くに潜るため、移動が大変になりがちなところだけがデメリットです。

LRTを含め他の路線と比べても空いていることが多く、ピークを外せば確実に座れます。渋滞がないことを考えると、中心部への移動手段としては車よりも速く移動できます。MRTを中心に生活できるのが一番快適なのは間違いないと思います。

買い物や外食はモールが近くにあると便利

その他気になるところと言えば、食事と買い物が大きな要素になるかと思います。どちらの場合も大きなモールが近くにあるのが理想です。日本の感覚のスーパーはモールに入っているか、大型店舗になっているかのどちらかで、街中にポツンとあることは稀です。

食事もモールの中のお店の方が比較的衛生的なお店が多くなります。街中のお店はローカル向けのものが多く、胃腸の強い人やアジア慣れしている人でないとつらいと思います。

その意味でも比較的大きなモールが近く(徒歩圏)にあるというのは重要なポイントになると思います。

「生きているモール」かどうかはちゃんと確認を

Googleマップ等で駅の近くにモールがあることが確認できても、そのモールが「生きている」かどうかは別問題です。モールの8割以上の店舗が閉鎖されているモールも普通にあります

モールに行ってみれば一目瞭然であるため、できれば実際に行ってみることをおすすめします。ただ、ネットで検索して普通に日本語で記事が出て来るようなモール(ミッドバレー、ワンウタマなど)は心配ありません。

買い物はネットでも可能

それぞれのスーパーで宅配をしているほか、HappyFreshというサービスが横断的に買い物代行をしてくれます。HappyFreshの場合、1回あたり、RM6の宅配料がかかりますが、飲み物やトイレットペーパーなどのかさばるものを買うときにはとても便利です。

日本ではAmazonで飲み物などは大量に買い込んでいましたが、こちらではAmazonがなく、箱買いができないため、HappyFreshでちょこちょこ買っています。人力でスーパーから買ってくるため、飲み物などの重いものは1種類につき6本程度しか買えません。

日本食は大体のモールに入っている

現地運営である可能性は高いですが、生きているモールであれば日本食がまず間違いなく入っているかと思います。ローカルが多く集まるモールの日本食は大して高くありません。日本のファミレスと同じか少し安いぐらいの金額感で日本食が食べられます。

その他は韓国料理や中華が多く、マレー料理もモールに入っているようなお店はチェーン店が多く、比較的食べやすいお店が多いです。

自炊はしづらい

比較的新しいコンドミニアムはガスがなかったり、シンクが小さかったりと自炊には向いていないことが多いように思います。また、スーパーは大して安くないため、節約のために自炊をするのはあまり得策ではありません。

ただ、ゴミは分別もなく、コンドミニアムであればいつでも出せるため、自炊をしても清潔を保ちやすいと思います。

治安はどう調べるか?

Chow Kit(チョウキット)などのネットで調べてすぐに出てくるレベルの情報以外は現地を見ないと分からないと思います。こればかりは自分で行って、雰囲気を見るべきだと思います。駅付近は治安の判断には最適です。物乞いが多くいたり、若者がたむろしていたりするような場所は避けましょう。治安の悪そうな雰囲気というのは日本とほぼ同じです。

駅や商業地を離れれば離れるほど暗くなるため、その意味でも駅近くの家を選ぶというのは治安的にも重要だと思います。ちなみに、大柄の男性であっても、事故を避けるという意味で駅近がおすすめです。夜の暗い道は車やバイクが一番怖いです。

Airbnbで試しに泊まってみる

大きめのコンドミニアムの場合、目的の物件に試しに泊まることも可能です。夜になると実はうるさかった、設備が使用しづらかった、セキュリティがちゃんと働いていないかった、といったトラブルも避けられます。

実際に泊まってみると住民の質も分かります。近くのモールに通うこともできるため、生活のシミュレーションとしてこれ以上の方法はないと思います。

コンドミニアム名で探すのが一番ですが、コンドミニアムによってはAirbnbを認めていないため検索にかからない可能性があります。その場合、地図からコンドミニアム付近の物件を調べ、iPropertyやProperty Guruの内装等と比較して特定していくことが可能です。

予算が厳しければルームシェアするのも

コンドミニアムは2から3部屋ある比較的大きい物件が多いため、一人の場合、探すのがなかなか難しい面があります。ただ、こちらのコンドミニアムはベッドルーム数とトイレ・シャワーの数が一致していることが多いため、ルームシェアをしてもプライベートが保ちやすいように思いいます。

特にブキッビンタンやKLCCなどの中心部に住みたい場合にはルームシェアを検討すると現実的な予算感で住めると思います。