世界各国の取引所でのBTC/JPYの価格をグラフで見てみる

取引所間の裁定取引(アービトラージ)で実際の価格の変化を調べるべく、ひたすらプログラムで価格を収集しながら傾向を見ています。グラフ化してみるとなかなか面白い結果が見えてきました。

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目次

取引所間の裁定取引(アービトラージ)で実際の価格の変化を調べるべく、ひたすらプログラムで価格を収集しながら傾向を見ています。グラフ化してみるとなかなか面白い結果が見えてきました。

グラフはデータが重くなったため、外部ファイルで用意しました。ラインにマウスを乗せると価格・取引所名・日時が分かります。込み入ったところは右上のツールで拡大すると細かく見ることができます。

なお、ひと際太い緑と赤の線が全体の平均です。

ビットコインと日本円(BTC/JPY)の約3日間の推移

BTC/JPYの取引所間の価格差のグラフ

こちらから HTMLで詳細なデータ付きのグラフが見られます。

25日の夕方から深夜にかけてのデータが抜けていますが、それ以外は約3分おきに取得したデータです。分析用であるため、このグラフでは、その取得時における bids/asks で一番良い価格のものを対象にしています。一部の取引所は取引が少なく、板の情報が最早ノイズにしかならないため、それらは予め除外しています。

面白いことに価格がまったく収束しません。通常はアービトラージ等により、価格があるひとつの決まった額に収束するはずです。ただ、特に国境をまたいだ取引所では送金等の問題等があるためか、収束するほどの取引は行われていませんでした。

ただ、全体的な動きには明らかに連動性が見られます。そのため、現在のところ、一定の価格差を保ったまま世界的に同じ様な動きをしているように見えます。

ビットコインと米ドル(BTC/USD)の約3日間の推移

BTC/USDの取引所間の価格差のグラフ

こちらから HTMLで詳細なデータ付きのグラフが見られます。

USDの場合、取引所が日本円よりも多いため、サンプルも多くなります。ただ、傾向は日本円と同じです。価格は収束せず、全体的に連動が見られるだけです。取引が活発な時間はミクロ的には価格が目まぐるしく変わっています。このあたりのボラティリティは日本円よりも高いです。

ビットコインとイーサリアム(BTC/ETH)の約3日間の推移

ETH/BTCの取引所間の価格差のグラフ

こちらから HTMLで詳細なデータ付きのグラフが見られます。

現物通貨ではなく、仮想通貨同士の場合はどのように変化するのか、比較のために、一番取引量が多いであろう、イーサリアムとビットコインでチェックしてみます。

仮想通貨同士でもやはり同じで、価格差は収束せず、取引所間で連動しています。ただ、金額自体は他のふたつと比較して、ほぼ同じところに集まっている傾向があるように思います。扱っている取引所がダントツで多いこともあり、ただ線が密でそのように見えているだけかもしれません。

グラフの入り乱れ具合も他のふたつよりも顕著に見えます。

今後の戦略

これまでに以下のような傾向が分かってきました。

・取引所間の価格差は大きい(最大3-5%) ・取引所間の価格差は(ほぼ)収束しない ・取引所間の価格は連動している

価格差が収束しないということはビットコインを送金して現金化して・・・というのを繰り返せば確実に少しずつ儲けが増えていきますが、特に現金の出金は時間がかかる、もしかすると銀行から口座を閉鎖されるおそれがある、というような色々と不安定な状態のため、基本的には送金を少なくする方向で取引に移行したいと思っています。

とりあえずはアルゴリズムの実装とテスト用のデータ収集を引き続き進めて行こうと思います。面白い。